中紀ウィンドファーム新設工事

白馬山脈尾根沿いに2,100kW風車を23基建設

中紀ウィンドファームは和歌山県中部に位置する白馬山脈の尾根上（標高約600m）に建設されています。本工事は2018年5月から着工し、2021年4月より商業運転を開始しています。23基の風車は白馬山脈を南北に吹き抜ける風の力を利用し、約2万3千世帯分の電力を発電し供給しています。過去のプロジェクトにて建設した広川・日高川ウィンドファーム（2014年11月より稼働中：2,000kW×10基）に隣接しており、合計33基の風車群を形成しています。

23基という大規模な風車建設に伴い、ヤードおよび管理道路造成のために発生した土量は60万m3に達しました。これほどの土量を運搬するため相当量のダンプ通行台数となることから、場内での交通災害防止を重点課題として、毎日の運行管理およびダンプの安全走路確保・離合場設置等の対策により、無事故・無災害で工事を完遂しました。

地域・周辺環境との共生

風車エリア周辺には鮎・あまご釣りで有名な有田川が流れており、シーズン中ともなると多くの釣り人が訪れます。こうした地域・周辺環境との共生を最優先課題とし、濁水流出を減少するための濾過フィルターの設置や、定期的な水質調査実施等の対策を講じ、問題なく完工しました。わたしたちにとって地域住民の皆様や環境との共生は重要なテーマであり、これからも真摯に取り組んでいきます。

林道における電線路工事

風車～変電設備間15kmの送電線を埋設した林道は、道路幅員が狭い上カーブが多いことから見通しも悪いため、工事看板および信号機を設置することで徐行を促し、作業区画を明示することで交通災害防止を徹底しました。

1年間にわたる風車輸送据付

23基という風車基数のため風車輸送据付工事は1年間にわたり、気象条件（風況・大雨・大雪・雷等）により作業中止を余儀なくされる日も多く発生しました。特に冬場の季節風や夏場の台風にはどれだけ苦戦を強いられたことでしょうか...。工期内に完工させるため、輸送用特殊車両の増台および輸送中継点（部材仮置ヤード）の設置により迅速に部材供給できるシステムを構築し工期内での工事完了を実現しました。

2021年3月工事完成

2018年5月から着工し、約3年にわたった本工事は2021年3月に完工を迎えました。大規模かつ難易度が高く、それに加え台風被害による手戻り作業が発生することもあり大変な工事でしたが、多くの対策・工夫により工期内に無事故・無災害での完成を迎えることができました。お客様、協力会社のみなさま、関係官庁並びに地元住民の皆様をはじめ、本工事に携わっていただいた全ての皆様に心より感謝申し上げます。