太陽石油株式会社28B海底配管内部検査工事
プロジェクトデータ
- 顧客名
- 太陽石油株式会社四国事業所
- 所在地
- 愛媛県今治市
- 工事名
- シーバース揚荷海底配管内部検査工事
- 完成時期
- 2014年9月
- 配管物量
- 28B×約500m
海底管部の犠牲陽極撤去作業【管内に犠牲陽極が取付けてある海底配管】のメンテナンス作業
1980年に敷設したシーバース揚荷海底配管の内面洗浄・犠牲陽極の撤去及び検査補修作業を行いました。
海底配管の洗浄検査補修工事はこれまで多数の実績がありますが、今回の配管内には犠牲陽極が5m毎にあり、これが走行障害となって通常のピグ洗浄が出来ない、如何にして火気使用可能なレベルまで洗浄するか、また、管内の犠牲陽極撤去作業を安全確実に且つ計画工期内に終わらせるか、が大きなポイントと考えていました。
このため、(モックアップ配管による)事前確認立会テスト、更には、客先殿担当者及び協力会社との1年間にも及ぶ綿密な事前打合せを行って本工事に臨んだため、当初の計画通り無事故で完遂する事ができました。
懸案事項であったピグ走行障害物撤去により、今後は、通常の海底管同様のメンテ作業が可能となりました。
【モックアップ配管】による事前確認テスト
本工事を行なう1年前、ピグランチャー、ピグレシーバー及び管内に【模擬の犠牲陽極を取付けた実物大28Bモックアップ配管】を作り、管内洗浄及び犠牲陽極の切断撤去作業を行いました。この結果、管内洗浄工法及び犠牲陽極切断作業時間、切断片の搬出・移動手段、必要な工具など貴重なデータを得ることが出来ました。管内で作業する人達も安全確実に計画工期内で当該工事が完遂出来る・・・と確信したところです。
なお、事前確認テストで使用したピグランチャー・レシーバーなどの設備は本工事でも使用しました。
仮設作業:【海底PLEMの取外し】
本工事は最終原油荷揚後の入念な海水置換作業後、海底面下約7mに埋設した海底PLEM(Pipeline End Manifold)の取出し、海中ピグレシーバーの取付けという大掛りな仮設作業から開始しました。建設時に施工したPLEM部ヘッダー内面の重防食ライニング(GF入りビニルエステル樹脂)は、ほぼ新品同様な状態であり、その耐久性の高さを改めて認識したところです。
台風8号が通り過ぎるのを待って、150t起重機船、2,000kl回収船、ダイバー船、監視船を配置し、海中仮設及び陸上仮設後24時間体制での管内洗浄作業へと移っていきました。
工事場所(手前:陸側配管橋、先方:○印下に海底PLEM有り
管内洗浄作業時:全体仮設状況(左:陸側ピグランチャ ~ 右:海側起重機船団)
【管内犠牲陽極の切断・撤去・搬出、検査・補修作業】・完了!
海側に2,000kl回収船を配置したバブリング洗浄とピグ洗浄の組み合せで管内洗浄を行った後、渚部上部エルボを切断し入管用仮設設備を設置しました。除湿エアーによる管内連続換気を行い、O2、HC、H2S濃度確認後、24時間体制での海底管内作業へと進みました。A班が犠牲陽極の切断、検査作業、B班が切断した犠牲陽極を搬出。その後C班が補修・防食塗装を行い、台風11号の来襲前に無事管内作業を終了しました。
今後は「通常のピグ洗浄やインテリジェントピグ検査及び補修作業」が容易に行なえる管内環境となりました。